カザルス・鳥の歌! もう40年に…!

 世界平和を訴える運動を続けてきたパブロ・カザルスの「国連デー」での演奏です。40年目の今日、是非聞いておきたい。
 で、予約投稿しておきました。


  ご覧ください(クリック)

 このスピーチの訳が知りたいですね…。
 そこで、チェリスト井上頼豊氏の『回想のカザルス』(新日本新書)を見つけてきました。

* 95歳直前の1971年10月24日が、カザルス最後の国際舞台になった「国連デー」記念コンサートである。いまだに語り草になっているこの公演は、豪華な出演者への期待もあり、国連総会参加の各国代表とその家族たちで、大会議場は超満員だった。
 この日のためにカザルスが作曲したオーケストラと合唱のための《国際連合への賛歌》が初演され、ウ・タント事務総長がカザルスに国連平和メダルを贈った。つづいてスターンとシュナイダーによるバッハ《二つのヴァイオリンのための協奏曲》や、ホルショフスキー、ゼルキン、イストミン協演のバッハ《三台のピアノのための協奏曲》などのあと、もう一度《国連賛歌》が演奏されて、プログラムは終った。指揮台をおりたカザルスは、しずかに客席に話しかけた。
 私はもう十四年もチェロの公開演奏をしていませんが、今日は弾きたくなりました」
 運ばれてきた愛用のチェロを手にとって、彼はいう。
「これから短いカタルーニャの民謡《鳥の歌》を弾きます。私の故郷のカタルーニャでは、鳥たちは平和(ピース)、平和(ピース)、平和(ピース)!と鳴きながら飛んでいるのです」
 彼は右手を高く上げて、鳥が飛ぶように動かしながら、ピース、ピース!とくり返した。
「この曲はバッハやべートーヴェンや、すべての偉大な音楽家が愛したであろう音楽です。この曲は、私の故郷カタルーニヤの魂なのです」
 静まり返った会場に流れた《鳥の歌》。その感動をことばで表現するのはむずかしい。強いていえば、巨匠の人生と思想がこの短い曲に凝縮されて、聴くものの心をゆさぶった、ということだろうか。全聴衆と演奏者が、そして世界に放映された録画に接した人たちが、同じように涙を流したのだった。 *

 * 少し粗いですが、スピーチと演奏のある画像はこれだけのようです。
   もっと鮮明な音色や画像のものは他にもあるのでお探しください。


 * 例えばこんな風です(クリック)