中之島中央公会堂 正面アーチ屋根の上に1対の神像が…
見ると、正面、屋根の上に何か像らしきものが乗っています。「職員の人に聞いてみたけどはっきりわかれへんねン」と言います。「何かいわれがあるんやろなぁ。寄付した人のいわれがあるんかなぁ?」と返事はしましたが、見当がつきません。「確か子どもの頃にはなかったが…、」などとも思います。「よっしゃ、調べとくワ」と返事。物好きの本領発揮です。
探していると、こんなことが書いてあるページに出会いました。
● 公会堂の屋根には、ローマ神話に登場する商売の神と科学・工芸の神様の銅像があったが、戦争で供出のため一度なくなっていたが、最近の改修工事で今は復活している。
● 何回も行ったことのある中之島中央公会堂、その屋根にローマ神話の像が2体載っていることを教えて頂きました。右側がミネルヴァという学問や芸術の女神で、左はメルキュールという商業の神です。戦争中に金属類は供出させられましので、これらも持ち去られたとのことです。最近になってやっと元通りに修復されました。
そうか、復元されたのか。復元工事は'99年に始まり2002年9月に完成しています。完成後はあまり公会堂にも行っていないし、せかせかと中に入ってしまうので、全景をしっかり見たことがありません。気づかなかったわけです。
ところで…。この記事…?
平和と登山のページ(クリック)とあります。「大阪登山者9条の会」の面々。ボクの親しい”マァヤン”の仕掛けではありませんか。嬉しい驚き!です。
さらに探すと、ボクも時々手にする「カリスマ案内人と行く 大阪まち歩き」という本の紹介ブログに「大阪市中央公会堂―華麗なる赤煉瓦の殿堂よ、永遠に」というコーナーがありました。そこには正面アーチ屋根の上に1対の神像が座る。科学・工芸・平和を象徴する女神「ミネルヴァ」と商業の神「メルクリウス」である。保存再生工事で復元されたとあります。
先に出てきた「メルキュール」という読み方には馴染みがありませんが、「メルクリウス」ならわかります。これはラテン読みで、英語ではマーキュリーです。大方は英語の方がお馴染みでしょう。このブログはここです(クリック)。その他の、綺麗な写真もあるのでお楽しみください。
それにしても、科学、工芸、平和を象徴するミネルヴァ、商業を象徴するマーキュリー、大阪らしくていいですね。
でも、これだけでは「伝聞」の域を出ないようで、何となくもの足りません。さらに探してみると…。ありました!
大阪市中央公会堂の建築 山 形 政 昭という小論文です。著者は、大阪芸術大学で日本建築史 近代建築論 保存再生論を講ずる先生です。その小論文に著名なものに貴賓室(特別室)に描かれた松岡壽画伯の天井画と壁画がある。また松岡の原画に基づく商業の神「メルキュール」と科学・平和を象徴する「ミネルバ」の神像が竣工時には正面大アーチの屋上に置かれていたというくだりがありました。山形氏は公会堂の修復にも関与されていたのでしょう。詳しい解説が次々と展開され、図面や写真も豊富にアップされています。
ぜひ、お読みください。
(クリック)。
これで、ほぼ納得できる説明になったようです。今度、中之島へ行ったときは、しっかりと、しげしげと眺めてみよう!
* ところで「雑学」を一つ。このマーキュリーという言葉は「ヘルメス」にも通じており、一般には「商業の神様」ですが、スラングでは「泥棒の神様」という意味もあるのです。「商売」と「泥棒」が裏表の関係であるとは…。思わずニヤリとしてしまいませんか?