ヘイトスピーチのこと ー 雨宮処凜さんの随想に寄せて

 昨日、全国革新懇の10月号が送られて来た。読みがいのある記事が幾つかあるが、中でも雨宮処凜さんの「ヘイトスピーチと若者」という随想に目を惹かれた。
 ご存じの人も多いと思うが彼女は「90年代後半、私は2年間、右翼団体に所属していた」と書き出している。
 「戦後の日本で『若者』が『外国人労働者化』した瞬間」を体験したという。そして、「単身上京していた私はどこにも帰属していなかった。家族、地域社会、学校、会社という中間団体の不在は、私を一気に『国家』に向かわせた」ともある。
 そして、「ヘイトスピーチは、決してあってはならないものだ。しかし『何をどうやっても報われない層』を作り出したこの社会の歪みこそが、彼らを生み出したようにも思えるのだ」と結んでいる。
 ヘイトスピーチに熱中する人々が何故生まれるのか。様々な角度から論じる人たちがおられる。雨宮さんの随想もその一つとして、耳を傾けるべき論考だと思える。
 雨宮さんが何故右翼団体から脱することができたのか。雨宮さんは表現力、思考力、自己探求力ー古い言い回しで言えば「内省」の力ーを持っていたからだ、と言えるような気がする。
 そういう能力は、誰にでも備わっている、とは言えないのかも知れない。しかし、いみじくも指摘された「家族、地域社会、学校、会社」、つけ加えれば仲間、友達といったような「中間団体」が存在し、ともに育ちあうことは可能ではないか。
 雨宮さんの指摘は言外に「何かを懸命にやれば報われる」体験は可能だ。喜怒哀楽を分かち合える社会をつくること、社会の歪みを正すことは可能だ、そんな一石になろうというメッセージがこめられているように、ボクには読めた。
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by itya-tyan | 2014-10-13 10:00 | 喜怒哀楽をともに… | Trackback | Comments(0)
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