戦後70年安倍談話のこと!

 戦後70年を期する安倍首相談話が発表されました。
 「有識者懇談会」を立ち上げたり、閣議決定するとか、しないとか、与党内部で異論が出たり、アメリカには早くに連絡したが、韓国や中国にはぎりぎりだったとか、なかなか落としどころの決まらない顛末を辿りました。
 ボクは15日早朝から起きて、新聞を隅から隅までどんな内容か、どう評価すべきかと3紙を読みあさりました。行動予定、会議予定があったので昨日にはアップできなかったけれど、FBのノートに一連の資料をノートしておきました。
 ボクなりの感想的意見を記したいのですが、その前にこれをご覧ください!
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 お手軽な言葉のてんこ盛り
 味がぼけてしまったポタージュスープ
 煮詰めれば、「積極的平和主義」のエキスが残る

 朝日新聞夕刊「素粒子」欄の「安倍談話」への寸評です。言い得て妙と共感した人も少なくないでしょう。ボクは勿論その一人です。
 
 ボクの率直な感想を記しておきます。

 第1は、現に総理大臣を務める行政府の長でありながら、自分の言葉が全くないということです。
 談話をどう読んでも「私たちは」とか「日本は」とか「わが国は」という言葉が連なっているだけです。
 一国の総理大臣として、「私が」国民及び国際社会にどんな責任を果たすというのか、全く触れられていません。
 議会では能弁・多弁を誇る安倍氏の巧妙さというほかありません。
 安倍首相は「代理を通じ、自民党総裁として」靖国神社に玉串料(真榊)を奉納するという使い分けもしています。
 姑息な話ではないでしょうか。

 第2は、侵略や植民地支配、果ては戦争について、あからさまなウソと詭弁が用いられていることです。
 その端的な例が「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました」というくだりです。
 さすがに朝鮮や「満州」を直接あげるわけにいかず、「アジアやアフリカの人々」と誤魔化したとしても、日露戦争が「人々を勇気づけた」などというのはこじつけ、でっち上げの謗りを免れることはできません。
 この文面の直前に「植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません」というくだりがあります。
 幕末から明治初期にかけての東洋各国の「開国・開港」が「植民地支配の危機」であり、それが「近代化の原動力となった」というのは近年、一部の「論者・学者」達が熱心に論じようとしているところです。が、「文明開化」の時代をかくも単純に「植民地支配の危機」と描き出すのも、歴史のねつ造の類というべきでしょう。

 第3に、戦争の原因を「経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去」に求め、戦争が自然の成り行き・不可抗力であったかのように描き出しており、「自存自衛」論の隠微な表現となっていることです。
 安倍談話は明確に言っていませんが「経済のブロック化」の結果、「日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました」というくだりには明らかに靖国神社・遊就館のいう「ABCDライン」を念頭においたものと見るべきでしょう。

 第4に、こんなワケですから、過去の侵略や植民地支配への反省もお詫びも、他人事で真剣さの片鱗もありません。そればかりか「もう済んだ。過去のこと」という開き直りの臭いがプンプンと漂っています。
 それが端的に表れているのがこの言葉です。
 日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。
 この一語で、村山談話などで触れた「侵略」や「植民地支配」への「お詫び」めいた引用も完全につや消しになってしまいました。

 第5に、今回の安倍談話では現実に起こっている北東アジアをはじめ世界に生起する諸問題になんの解決方向も示すことができませんでした。
 中国や韓国との真の友好のためには侵略と植民地支配、数々の残虐行為にたいする明快な国家的反省が必須です。国際社会の常識は「戦争犯罪に時効はない」ということです。国民に寛容への感謝などと、お説教をたれているだけでは何の解決もできません。
 歴史認識を正しくしなければ嫌中・嫌韓のヘイトスピーチすら解決できません。ましてや従軍慰安婦問題はどうするのか、道筋は全く示されませんでした。
 「唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしてまいります」ととなえてみても、なるほどと受けとめてもらえる行動はしたことがありません。

 最後に、いままさに強調したいことを指摘しておきます。
 安保法制=戦争法をめぐって澎湃として国民世論が盛りあがっているにもかかわらず一顧だにせず、平然とその成立を追い求め、この談話にまで「積極的平和主義」などと言いくるめるとは愚劣極まりない!

 本気で平和を誓い、先の戦争を反省するなら直ちに戦争法案は撤回するしかない!

by itya-tyan | 2015-08-16 17:54 | ちょいまち草 | Trackback | Comments(0)
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