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 選挙期間中も基本的には自由

 日本の選挙制度は「あれもダメ、これもダメ」と制限が多く、「暗やみ選挙」とさえ酷評される程ですが、有権者・国民の政治活動の一切を制限することはできません。それは憲法で保障された「言論・表現の自由」、「知る権利」の侵害に通じるからです。 選挙運動とは一般に「特定の選挙について」、「特定の候補者(または立候補予定者)の当選を目的として」、「投票を得または得させる目的をもってする行為」が要件とされるように極めて限定的です。しかし、政治活動にはこのような限定的な定義はあてはまりません。だからこそ、選挙運動には大幅な制限をくわえることはできても、憲法上、個々人の政治活動一般をむやみに制限することは基本的にできないのです。
 その意味では選挙準備の段階から本番にいたるまで、誰にでも自由にできる活動の範囲は決して狭くはありません。「知人や友人に党への支持をお願いすること」、「電話を使って支持をお願いすること」、「自筆の手紙を出す際、用件のついでに投票を依頼する文面をつけくわえること」、「『しんぶん赤旗』や『民報』などの政党機関紙、地域政治新聞の号外を配布すること」、「選挙前にハンドマイクで政治宣伝をすること(地声・メガホンでの政治宣伝は本番中も自由)」、「電話や面接で後援会ニュースを読んでもらうお願いをすること。後援会への入会をすすめること。ニュースを配り、要求を聞き、支持を広げてもらうお願いをすること」、「小集会や懇談会をひらくこと」、「要求や意見にもとづくアンケートや署名をしてもらうこと」などが自由にできる活動の主なものです。気になることがあるときは、後援会の役員や選挙実務に携わっている人たちに尋ねて確認し、正々堂々と主権者としての行動にとりくみましょう。
 また、有権者・国民の目線で清潔・公正な選挙を妨げる財界やマスコミ、特定の宗教団体などの動向に対し、厳しい監視と批判を怠らないことが大切です。警察や選管は「地バン、看バン、カバン」といわれる「三バン選挙」の横行、買収や酒食の供応・接待、利益誘導、デマなど、文字通りの選挙違反にこそ厳しく対処すべきです。
 
 主権者の自由侵す日本の制度

 公選法の「戸別訪問禁止」の規定に違憲判決を下した広島高裁松江支部の判決(80年4月)は「選挙は、国民が国政に参加し、主権者として自らこれを決定する、最高にして最重要の権利行使」と位置づけ、「選挙運動は、候補者や選挙運動者だけが行うものではなくて、主権者としての誰もが行い、また行いうるものである」との認識に立っていました。その意味で「選挙運動は本来、自由に行われるのが理想(府選管HP)」です。
 しかし、現実の公職選挙法はとても煩雑で制約が多く、国民の参政権を大きく妨げています。吉井英勝議員の選挙運動規制についての質問(06年4月)に対し、総務省は「アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスとも戸別訪問は自由、文書配布とインターネットはフランスで一定の規制があるが他の3国は自由」と答え、日本の制度の不合理性を認めざるを得ませんでした。「戸別訪問禁止」については「憲法上許される合理的でかつやむを得ない限度の規制であると考えることはできない」と、地裁や高裁が6件の違憲判決を下しましたが、最高裁判所がこれをことごとく覆しました。
 国民・有権者が各候補者の政見や政党の政策を比較、検討する上でもっとも充実した期間となるはずの選挙運動期間は何度も短縮され、当初(50年)の衆参国会議員・知事・都道府県議会議員30日、市町村長・議員20日から、衆議院議員12日、参議院議員・知事17日、都道府県・指定都市の議員9日、指定都市の長14日、一般市の長・議員7日、町村長・議員5日となってしまい、立会演説会は制度そのものが無くされました。
 巨額の金を使ったCMや新聞広告が天下御免の一方で、草の根の運動が厳しく規制される日本の選挙制度は「世界でも異常、不公正・反民主的」と言われるほどひどいもので、4割台の得票だった自民党が7割以上の議席を占めている小選挙区制、年間320億円も山分けする政党助成金、選挙区300万円、比例代表600万円にのぼる高額な供託金などがその典型です。
 幾多の変遷へて確立 

 このシリーズの2回目に「投票すること、選挙活動に参加すること、立候補することなどは参政権行使の最たるもの、(政治の)主人公としての権利行使の真髄」と書きました。解散・総選挙の行方が注目される今、あらためて選挙制度のいくつかについて考えてみましょう。
 先ず、選挙制度の5原則です。今日の日本では、二十歳以上の国民すべてに選挙権のある「普通選挙」、性別や社会的身分によって差別されない「平等選挙」、有権者自身の投票による「直接選挙」、誰にも干渉されずに投票できる「自由選挙」、誰がどの候補者・党に投票したかわからないようにする「秘密投票」が原則とされています。このような原則が確立されるまでには、幾多の変遷があったことはよく知られているところです。
 たとえば、1890(明治33)年の第一回衆議院選挙は直接国税15円以上を納める25歳以上の男子にしか選挙権のない「制限選挙」で、有権者45・1万人、人口比僅かに1・1%でした。税務大学校(国税庁)の資料によれば、当時所得税は導入されたばかり(1887・明治27年)でしたから、税収にしめる所得税の割合は1・5%にすぎず、地租が59・2%も占めていたのですから、有権者の圧倒的多数は地主だったのです。1925(大正14)年には納税条件が廃止され、いわゆる「普通選挙」となりましたが、選挙権者は男子にかぎったうえ、悪名高い「治安維持法」とセットでした。
 女性の選挙権獲得は1945年で、本当の意味での「普通選挙・平等選挙」は戦後にもちこされたのです。但し、被選挙権・立候補資格には年齢制限があり、衆議院議員、都道府県・市町村議会議員、市町村長は25歳以上、参議院議員と都道府県知事は30歳以上となっています。
 なお、日本共産党は「18歳以上の人に選挙権を」と主張していますが、選挙制度のある189カ国のうち9割にあたる166カ国(国会図書館調査)、「サミット参加国の日本以外はすべて(政府答弁)」が「18歳選挙権」を認めており、これが世界の大勢です。
 ネットなどで「ちゃーちゃん」を探すと、圧倒的に犬や猫、ペットの愛称であることが多い。この語感には、どことなく可愛いイメージがあるのかも知れない。
 しかし、ボクのニックネームである「ちゃーちゃん」の由来は、そんなに可愛いものではない。昭和19年、「敗戦」1年前の生まれである。まわらぬ舌で「いちゃおちゃん」と言うのが訛って「ちゃーちゃん」となった幼児語である。
 同世代には、結構「ちゃー○○」というニックネームで呼ばれている男性がいる。大抵は、勲とか、功という名前である。幼時にまわらぬ舌で「いちゃお」とか「ちゃお」とか自称していた。その音が訛って周囲の人から「ちゃーやん」「ちゃーさん」「ちゃー公」「ちゃーちゃん」とか呼ばれるようにもなった。「ちゃー」という音が共通している。
 さて、勲、とか功という文字ははどこからくるのか。想像できる人はもうかなりの齢を重ねていることだろう。さよう、敗戦の色濃いとは知らず、男の子に「武勲功」という言葉から一字をとって、戦場に出かけ、勇ましく戦い、かくかくたる戦果をあげて欲しいと考えた、当時の親たちの気持ちがこめられた名前のなのである。まさに「勲功著しい」ことを願ったのである。
 しかし、それが「ちゃー○○」となってしまうと、いかにもペットのような、なよなよしい語感をもった、正に名付けた親たちの期待とはかけ離れたあだ名・ニックネームになってしまった、というワケだ。
 因みに、ボクと同じ年に生まれた者達の中には「勇」だとか、「護」、果ては「勝利」などという「戦勝祈願」丸出しの名の者もいる。親たちの願いは同じことだった。
 庶民は、敗戦目前などということを全く知らなかったのである。

 自治体のクビをしめる健全化・再生規準

  「07年度決算に基づく健全化判断比率・資金不足比率」の公表で、泉大津市、守口市、泉佐野市が「健全化団体」にあたるとされました。仕組みはどうなっているのでしょうか。
 「財政健全化法」は、4つの財政指標を「健全化判断比率」と定め、「監査委員の審査に付した上で議会に報告し、公表しなければならない」としています。
  財政指標の共通の物差しが「標準財政規模」で、それぞれの都道府県・市町村が「標準的な状態で通常収入されるであろう経常的な一般財源の規模を示す」ものです。この標準財政規模と①一般会計等(普通会計)の実質赤字額の比率を示す「実質赤字比率」、②一般会計と公営企業会計など(特別会計)の赤字を加え「連結」させた「連結実質赤字比率」、③当該年度に一般会計等から支出する地方債の元利償還金額の比率を示す「実質公債費比率」(3年間の平均)、④将来負担をしなければならない諸々の償還・支払に要する金額との比率を示す「将来負担比率」が算出されます。この将来負担額には一部事務組合や広域連合、地方公社や第三セクター分まで含まれます。以上「4つの財政指標」のほかに、公営企業会計ごとに資金の不足額と事業の規模との割合を示す「資金不足比率」を公表しなければなりません。
 政令で4つの指標それぞれに規準が設定され、いずれかが「早期健全化規準」以上の場合「健全化団体」、①〜③までのいずれかが「財政再生規準」以上の場合「再生団体」に振り分けられ、来年度からは「健全化計画」や「再生計画」の策定が義務づけられます。「計画」は一見「自主的な策定」を装っていますが、「健全化団体」には総務大臣、都道府県知事が「勧告」でき、「再生団体」には総務大臣から「予算の変更等必要な措置を勧告できる」というもので、事実上、「地方は自分で自分のクビを締めなさい。できないなら国や府が締めてあげる」ということになってしまいます。
  日本共産党は国会で、国主導で公共事業を押しつけられ、地方が多額の借金を積み重ねたことや、地方交付税の大幅削減で地方財政が悪化したこと、「自公政治の失政による病院経営の赤字まで連結決算に組み込めば自治体病院は閉鎖や民間委譲に追い込まれる」と追及、反対しましたが、この悪法に自民・公明ばかりか民主党も賛成し、昨年6月に成立したのです。
 自治事務と法定受託事務

 ここで少しおさらいをしておきましょう。まず、地方自治法は「地方自治の本旨に基づいて、…地方公共団体の健全な発達を保障することを目的(第1条)」としています。また、同条第2項では地方公共団体の役割を「住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広担う」ものとされています。その際、国は「住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、…地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるように」しなければなりません。改悪されたとは言えこれらの文言を素直に読めば、国や都道府県が福祉や教育の責任を投げ捨て市町村に押しつけることや、中央から地方に「権力を分散・分立」する「道州制導入」の論拠にすることはできません。大切なことは「地方自治の本旨」、つまり「住民自治」と「団体自治」を貫いているかどうか、ということです。
 さて、地方公共団体の扱う事務についてです。まず、「市町村は、基礎的な地方公共団体として、…都道府県が処理するものを除き、一般的に事務を処理する」。都道府県は「広域にわたるもの」、「市町村に関する連絡調整に関するもの」、「規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるもの」を処理することになっています。その事務は「自治事務」と「法定受託事務」に区分されます。「自治事務(地方自治法第2条8項)」とは「法定受託事務以外のもの」とされ、その「法定受託事務(同9項)」は二種類に区分されています。第1号は「国が本来果たすべき役割」、第2号は「都道府県が本来果たすべき役割」に係るものです。それぞれは国から都道府県へ、都道府県から市町村へ「委託・受託」の関係として執行されます。この「法定受託事務」は地方自治法別表や政令で詳細に定められています。しかし、「自治事務」の規定は曖昧で、地方の自由な「裁量」には諸々の法や条例による制限があり、国や都道府県の「関与」も否定されません。
 指定都市、中核市、特例市の規定と権限

 都道府県は、各種の法律や政令にもとづいて事務を処理する権限を持っています。その広範な事務の内の幾つかを「大都市」に委譲することができます。一般的には、指定都市は都道府県の8割、中核市は指定都市の7割、特例市は中核市の3割に相当する権限移譲を受けているとみられます。
 「大都市」とは広い意味では、指定都市、中核市、特例市も入りますが、狭い意味では人口50万以上の政令で指定する市、つまり「指定都市」を指します。「指定都市」は一般に「政令指定都市」、「政令市」などとも呼ばれます。
 大阪府内では大阪市に続いて、堺市が加わり、全国では17市が「指定都市」になっています。ここには条例で「区」を設け、区の事務所(必要と認める時は出張所)を置くこと、区にも選挙管理委員会を置くことが義務づけられています。「指定都市」には、都道府県が扱う事務のうち、児童福祉、民生委員、身体障害者の福祉、生活保護、行旅病人及び行旅死亡人の取り扱い、社会福祉事業、知的障害者の福祉、母子家庭及び寡婦の福祉、老人福祉、母子保健、障害者の自立支援、食品衛生、墓地・埋葬等の規制、興業場・旅館及び公衆浴場の営業の規制、精神保健及び精神障害者の福祉、結核の予防、都市計画、土地区画整理事業、屋外広告物の規制などに関する事務など、15事務が委譲されます。
 「中核市」は政令で指定する人口30万以上、面積100平方キロ以上の市で関係市からの申し出にもとづいて指定されますが、市議会・都道府県議会の議決が必要です。府内では高槻、東大阪の両市、全国39市です。取り扱う事務は原則として指定都市に委譲される事務と同じですが、都道府県が処理する方が効率的な事務(道路管理、県費負担教員の任免など)、独自に扱うことが非効率な事務(児童相談所の設置など)が除かれます。
  「特例市」は人口20万以上、手続きは中核市と同じです。府内では茨木、吹田、豊中、寝屋川、枚方、八尾、岸和田の7市、全国43市です。取り扱う事務は中核市に準ずるのですが、除外規定も多く、政令に明記されているのは都市計画、土地区画整理事業だけです。
 大都市、中都市、小都市、町村という区分

 「都市」という言葉は日頃何気なく使っていますが、「逆引き広辞苑」でひいてみると、衛星都市、観光都市、近代都市、国際都市、指定都市、姉妹都市、自由都市、城郭都市、消費都市、新産業都市、生産都市、政令指定都市、大都市、筑波研究学園都市、田園都市、都市、無防守都市、六大都市など、沢山の言葉が出てきました。では「地方自治法」は都市や町村をそれぞれをどう位置づけているのか、考えてみましょう。
 市町村や都道府県の取り扱う事務についての記述は次のような順になっています。「普通地方公共団体は、都道府県及び市町村」とされ、「市町村は、基礎的な地方公共団体として、都道府県が処理するものとされるものを除き、一般的に、事務を処理する」、次に「都道府県は市町村を包括する広域の団体として、広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整、及びその規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものを処理する」とあります。憲法で「国の責務」が明示されたうえで、地方自治法では、まず「都道府県の処理する事務」に言及し、市町村はそれ以外の「一般的な事務」を処理するというのが基本的な流れなのです。「市町村でできることは市町村で」という「広域連合・道州制」論者の論立ては法の流れとは合致しません。
 同法第8条で「市」は「人口5万以上」など幾つかの要件が定められ、さらに都道府県条例で「都市的施設その他の都市としての要件」を定めること、「町の要件」については人口も含めて定めることになっています。なお、府条例は「町は人口概ね8千以上」としています。したがって、都道府県、市・町以外が「村」ということになります。
 なお、「都市」については、同法第12章「大都市に関する特例」の項で人口50万以上を「指定都市」、人口30万以上・面積100平方キロ以上を「中核市」、人口20万以上を「特例市」とする場合の手順や処理事務の内容をさだめており、これらがいわゆる「大都市」というわけです。なお、「地方財政白書」では人口10万以上の市を「中都市」、10万以下の市を「小都市」と区分しています。
 ねらいは広範な事務と強力な権限

 橋下知事は「関西広域連合の実現を急ぎ、将来の関西州へのステップとしたい」と強調、何がなんでも「道州制への移行一番乗り」を果たしたいようです。この「広域連合」は地方自治法では、従来からあった「一部事務組合」とともに「地方公共団体の組合」とされています。どう違うのでしょうか。
 一部事務組合は文字通り地方自治体の「事務の一部を共同処理する」ものであり、各構成団体にその主体性があります。構成団体間で利用料金や減免規定などがばらつくことがあるのはそのためです。ただし、組合の構成員は各自治体そのものであり、住民の関与は「間接的」です。また、組合議会の議員は各議会からの「派遣」が通例です。府内の一部事務組合には水防、消防、下水、火葬場、清掃、その他(競艇・養護老人ホーム・学校給食・リサイクル施設)など、32組合があります。
 分権一括法や地方自治法改正(95年)にともない制度化された「広域連合」は「一部事務組合」とは全く異なる様相を持っています。例えば「一部事務組合」は同一の事務を持ち寄り共同処理するものですが、「広域連合」は複数の異なる事務をも共同処理できます。そのためには「広域計画」が必要になりますが、この「計画」には「広域連合」の扱う事務でない事柄も盛り込むことができ、「計画」に基づいて国や都道府県の権限に属する事務の移譲を求めることができるうえ、構成団体に「規約」の変更を求めることも、「勧告」することもできるのです。つまり「広域連合」は極めて広範な事務を扱い、強力な権限を持つことができます。その「強権」への危惧を避けるためか、構成員に住民をふくめ、「広域連合」への直接請求権の行使を認めています。また、議会の議員及び連合長は「選挙」で選出することとされ、住民による直接投票か、構成団体の議会議員による選挙(議員の場合)、構成団体の首長による選挙(連合長の場合)かを選択できることになっていますが、直接投票制度は事実上、有名無実です。
  改善・充実が求められる意見公募手続

 橋下知事が提示した「大阪維新プログラム案」へのパブリックコメントでは批判的な意見が多数寄せられ(詳細は8月10・17日付け本紙参照)、話題になっています。府は提出された意見・提言に対する「考え方などについては、今後の府議会の議論を踏まえた上で整理し、あらためて公表」するとしています。「府議会の議論を踏まえる」というところがミソですが、府民の真摯な意見表明に対してどんな「整理」がされるのか興味深いところです。
 ところで、このパブリックコメントとはそもそもどんな制度なのか、確認しておきましょう。
パブリックコメントとは一言でいえばパブリック(公)に、コメント(意見・情報・改善案など)を求めるという制度です。行政手続法では「意見公募手続」と言われます。この法律は「行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資すること」を「目的」としています。意見公募手続きの具体的な内容としては「(行政機関が)命令等を定めようとする場合には、命令等の案、関連資料、意見の提出先、提出期間(公示の日から30日以上)を定めて広く一般の意見を求めなければならない」というものです。当初は「規制の制定又は改廃に係る意見提出手続」に限られていましたが、法改正により「命令等を定めようとする場合の一般原則」となりました。この「命令等」には、「法律に基づく命令」、認可等の「審査基準」、不利益処分の「処分基準」、「行政指導指針」などが含まれます。また、提出された意見(コメント)については「考慮した結果及びその理由」を公示しなければならず、意見公募手続を実施しないで命令等を定めた場合は「実施しなかった旨及びその理由」を公示しなければなりません。一見立派な内容なのですが、内閣府の調査によればこの制度の認知度は低く、「知らない」が87.8%とほとんど実態がありません。しかも、この法律は地方公共団体の機関への適用を除外し、努力規定にしているため、府内の市町村でおこなわれているパブリックコメントのほとんどは条例や規則ではなく「要綱」に基づくか、行政機関の任意に任されており、きわめて恣意的なものといわざるを得ません。