あきれるよ! 新党乱立? 政党要件? Ⅱ

 新党? 共通の原理・原則・理念で結ばれているのか

 「新党旗揚げ」となると、マスコミはこぞって「政党要件」を話題にする。旗揚げの当事者もみんなこの「要件」にこだわっている。
 しかし、そもそも「政党とは何か?」という原点に立脚する「党づくり」、それを問う報道は皆無に等しい。
 広辞苑で「政党」をひいてみる。「共通の原理・政策をもち、一定の政治理念実現のために、政治権力への参与を目的に結ばれた団体」とある。
 もう少し調べる。「市民革命後の近代国家において、国民の利益や意見と政府の決定を結ぶ役割を果たす最も重要な政治集団。初めは、政権獲得のための私的な徒党と考えられたものが、次第に議会政治における正統的存在とみなされる」ようになり、「公共の利益を促進するために、一致した原則により相協力する一群の人びと」との定義も生まれた(マイペディア)。
 もっとすっきりした規定の仕方はないのか。筆者には「共通の理念と政策で結合される、階級のもっとも活動的な人びとの結集体で、政治権力の獲得、または維持を根本的な目的とする政治結社をいう」「政党の本質的性格は、それがどの階級の基本的利益を代表しているか、また『政治的広告』によらず、なにをしているのかという実際の行動によってきめられる」(社会科学総合辞典)という規定がなじみやすい。
 要するに「共通の原理・政策、目的に結ばれ」「一致した原則により相協力」し、「共通の理念と政策で結合」する集団(party)なのである。その本質は「どの階級の基本的利益を代表しているか」というところにある。「政治的広告によらず」という指摘が小憎いではないか。
 政党の「要件」といえば、まずここが明らかでなければばらならない。それを示すのはその党の政綱(綱領)や規約、政策である。今、乱立する「新党」は言うに及ばず、民主党や自民党なども政党としての「共通の理念・政策」はあいまいで、ほとんどわからない。まして「誰の利益を代表しているか」という点については、むしろ「ひた隠し」といっても過言ではない状態だ。
 新党の旗挙げを標榜する「党人」たちも、これを報道するマスコミもこのような意味での「政党の要件」をを極端に矮小化している。
 「政党の要件」の矮小化はどこから来るのか。次回はそこを検討してみたい。