西野恒次郎氏逝く

昨秋、産直で頂いている野菜にひと束の稲穂が添えられていました。生産者の心遣いが嬉しく、しばらく花瓶に活けて楽しみました。枯れてからもゴミに出すのはしのびなく、そっと庭先に寝かせておきました。そのひと束の稲穂から芽が出たのです。水田でも、畑でもない狭苦しいこの庭先で芽を出してくれたのです。米どころ東日本を襲った地震・津波、原発危機。息苦しい日々が続くさなか、負けじとばかりに芽を出してくれた早苗。被災農家のみなさんの無念にひとしおの思いのするわが家の「珍事」です。
大阪の農民運動の大先輩、西野恒次郎氏の訃報に接する数日前のことでした。