ちょっと冷静に考えたい! 大飯原発再稼働容認?

細かな議論、意見の余地は多々あろうかと思います。
ただ、この際冷静に橋下市長の言ってきたこと、してきたことのポイントを確認しておきたいと思います。
まず、橋下市長、松井知事が4月24日に確認した原子力発電の安全性に関する提案、いわゆる「原発8条件」です。
この文書では「政府においては、原子力発電の安全性に係る下記の8点について、万全の措置を講じられることを求めます」と明確に8項目の実行を求めていました。
本文をお読みください(クリック)。

様々な経過はあるにしても、現状に於いていわゆる「8条件」を満たしたと言える状況にないことは誰でもわかることではないでしょうか。
しかし5月30日、関西広域連合は事実上「大飯原発再稼働容認」の声明を発し、橋下市長も同意したのです。
声明の本文もお読み下さい(クリック)。
ご覧の通り
「原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準」は、原子力規制庁等の規制機関が発足していない中での暫定的な判断基準であることから、政府の安全判断についても暫定的なものである。従って、大飯原発の再稼働については、政府の暫定的な安全判断であることを前提に、限定的なものとして適切な判断をされるよう強く求める」とあるのです。

分かりませんねぇ…!
* 原子力規制庁等の規制機関が発足していない中での暫定的な判断基準である
* 政府の安全判断についても暫定的なものである
* 大飯原発の再稼働については … 限定的なものとして適切な判断をされるよう強く求める

これが再稼働の要件たり得るのでしょうか?
さっぱり分からない、と思うのはボクだけでしょうか?

いったい、原子力発電について、大飯原発の再稼働について「限定的」で「適切な」判断なんて可能なのでしょうか?

2012.6.1 10:55発信の産経ニュースは、こんな見出しをつけて報道しています。
「負けたと思われても仕方ない」 
      大飯原発再稼働容認で橋下市長

 大阪市の橋下徹市長は1日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働問題で、これまでの反対姿勢を一転させ、事実上容認した自身の判断に関し「正直、負けたと思われても仕方ない。反対し続けなかったことには責任も感じている」と述べた。市役所で記者団の質問に答えた。
 同時に「大飯原発は超例外だ。ずるずると動き続けることは絶対阻止しなければならない」と強調。関電管内で予測されている今夏の深刻な電力不足を乗り切るため、あくまで期間限定で再稼働を認めたとの認識をあらためて示した。

この会見を見ると、「安全が確認された上での再稼働ではない」「暫定的な安全判断」「大飯以外は動かせない」など、つじつまの合わない発言がポンポン飛び出してきます。
専門家も加えて検討した折角の「原発8条件」を自ら棚上げしてしまって、どうして「大飯は超例外」「ずるずる動き続けることは絶対阻止」などと断定的な発言ができるのでしょう。

この会見は大阪市のHP・記者会見(クリック)で全体を見ることができます。

一見、強気の橋下市長ですが、態度、方針を転換した根拠は何も示せないようですねぇ。