昨日と今日、立て続けに2冊の本を読みました。読後、どちらを先に読めばよかったのかなぁ…とも思いましたが、とりあえず読んだ順にちょっと感慨を記しておきます。 最初に読んだのは「9条を活かす日本」という伊藤千尋氏の手になるものでした。
同氏は世界を歩き、日本の憲法9条の値打ちを実感するとともに、日本がいかに憲法を尊重していないか、如実に伝えています。しかし、「未来はある」。巻末の青年との対話に著者の決意と、ボクらのありようを学んだ思いがしました。
青年:将来、日本が変わると信じていますか?
著者:「変わるかどうか、じゃなくて変えるかどうか、だ。変えようとする意志がなければ社会は変わらない」「将来はどうなるかわからないから、信じるわけにはいかない。でも、今、将来を変えようとしている自分を信じることはできる」
青年は私の言葉をしばらく反芻したあと、にっこり笑って「握手を求めてきた」というのです。
続いて読みふけったのが堀和恵さんの手になる「評伝 管野須賀子〜火のように生きて〜」という本です。
「評伝」とあるとおり、単に管野須賀子の記録を尋ねたり「調査」しただけでなく、その折々の須賀子の感慨に著者自身がしっかり心を寄せつつ、客観性を失わないという極めてまれな挑戦に成功している著作だと実感しました。「評伝」というのはかくあるべきでしょうねぇ!
大逆事件がいかにフレームアップ(でっちあげ)であったか、それは今日かなり知られつつあるようです。が、その背景に時代に挑戦し、苦悶する青年たちがいたか。迫害に耐え、自己と未来を信じる青年たちがいたか。そして、今その姿を学び直そうとする人々もいる。著者の「学びつつ、挑戦する」苦労が見事に実った著作だと実感しました。